【鹿児島】吹上浜サーフおすすめポイント6選|冬の看板は「砂ブリ」
今回は鹿児島県の吹上浜を中心に紹介します。
宮崎の記事では「宮崎の冬はオオニベ」と書きました。では鹿児島は何かというと、答えは「砂ブリ」です。同じ九州でも、看板になる魚が違います。
吹上浜とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全長 | 約47kmの弧状の砂丘海岸 |
| 所在 | 北からいちき串木野市 → 日置市 → 南さつま市の3市 |
| 面する海域 | 東シナ海(薩摩半島西岸) |
| 選定 | 日本三大砂丘(鳥取砂丘・中田島砂丘と並ぶ)/日本の渚百選 |
| 地形 | 北部=砂浜が狭くシラス台地の崖が海岸近くまで迫る/南部=広大な砂丘 |
中田島砂丘と並んで「日本三大砂丘」に数えられているというのが、遠州灘に通っている人にはピンとくるところだと思います。中田島の兄弟分のような浜が、九州の西側にもう1本あるわけです。
釣り視点では全体的に遠浅で、中規模河川の河口域が主攻略ポイント。流芯の両サイドのカケアガリを狙うのが基本とされています。流入河川は万之瀬川(南さつま市)、永吉川・神之川(日置市)など。万之瀬川の河口周辺には干潟が広がります。
鹿児島の看板は「砂ブリ」
吹上浜の冬を代表するのがサーフからのブリ、通称「砂ブリ」です。
中日スポーツの釣りナビが「寒ブリ85センチ 鹿児島・吹上浜」を報じ、釣りビジョンも吹上浜サーフの寒ブリを特集しています。ルアーマガジンの取材記事ではブリ78cm、ヒラメ60cm、マゴチ56cmの釣獲が確認できます。
つまり冬が本番という点は宮崎と同じですが、狙う魚が違います。
オオニベはどうなのか
正直に書きます。吹上浜でのオオニベの釣果を裏付ける明確な出典は、今回見つけられませんでした。
「サーフのブリ、オオニベ狙い(鹿児島県)」というタイトルの記事は検索に出てきましたが、リンク先が404で内容を確認できず。少なくとも、宮崎のように「オオニベの聖地」として確立している事実は確認できません。
宮崎=オオニベ、鹿児島=砂ブリ。この整理が、現時点で言える範囲だと思います。
南方系が混じる
釣果記録にはメッキ(ヒラアジ類の幼魚)が8月・9月に、カンパチ・ハタ類が10月に上がっています。吹上浜北側のいちき串木野市の釣り場では、オオモンハタ、ハガツオ、シイラ、イシガキダイなども対象魚に挙がります。
本州のサーフに比べて、南方系・暖海性の魚が混じる。これは東シナ海に面した薩摩半島西岸ならではです。
狙える魚とシーズン
釣果情報サイトに投稿記録がある魚種と月です。
| 魚種 | 確認できた時期 |
|---|---|
| シロギス | 2月・7月・8月 |
| ヒラメ | 10月 |
| サワラ | 12月 |
| カンパチ | 10月 |
| ハタ類 | 10月 |
| マゴチ | 7月・8月 |
| メッキ | 8月・9月 |
| チヌ | 6月 |
日置市の公式サイトは、吹上浜全般について通年でタイ・ヒラメ、春はコノシロ・キス、夏〜秋はコノシロ・キス・ミズイカ・アジとしています。
【最重要】吹上浜はウミガメの産卵地です
このエリアで絶対に外せない話です。
鹿児島県の公式サイトによれば、鹿児島県は日本一のウミガメ上陸産卵地で、毎年数千頭が上陸し、日本に上陸する全ウミガメの半数以上を占めます。そして吹上浜は屋久島と並ぶ県内の主要産卵地として県公式に明記されています。
鹿児島県ウミガメ保護条例(昭和63年制定)により、県内の海岸に上陸するすべてのウミガメと、その卵の捕獲・採取・殺傷は禁止されています。
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| 産卵 | 県公式:おおむね5月上旬〜7月下旬の夜/砂の祭典公式:5月中旬〜8月初旬 |
| 孵化・子ガメの旅立ち | 8月中旬〜10月中旬 |
そして釣り人が直接関係するのがこれです。
夜間の観察は懐中電灯の光がウミガメを警戒させるため、個人での実施はできるだけ控えるよう呼びかけ。
吹上浜砂の祭典 公式
つまり5〜8月の夜釣りでは、ヘッドライトの扱いに最大限の配慮が必要です。砂浜を広く照らす、海面に向けて振り回す、フラッシュ撮影をする。これらは避けてください。南さつま市・日置市は産卵シーズンに保護パトロールを実施しています。
砂浜への車両乗り入れも禁止とされています(公的出典は未確認ですが、産卵地保護の観点から当然守るべきです)。
釣り人が原因でこの浜が閉ざされたら、失うものが大きすぎます。ここは全員で守ってください。
ポイント比較
| ポイント | 市 | 駐車場 | トイレ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 江口浜 | 日置市 | 普通車75台・身障者2台・大型5台 | あり | 市公式に情報が揃っている |
| 永吉川河口 | 日置市 | あり | 不明 | 進入路が狭い |
| 神之川河口 | 日置市 | 不明 | 不明 | 現地情報が乏しい |
| 入来浜(吹上漁港付近) | 日置市 | あり | あり | 市公式が釣りスポットと明記 |
| 吹上砂丘荘下海岸 | 日置市 | 不明 | 不明 | 市公式が釣りスポットと明記 |
| 万之瀬川河口 | 南さつま市 | 広い駐車場あり | 不明 | 吹上浜随一のフラット/時間制限に注意 |
初めてなら江口浜です。日置市の公式サイトに駐車場の台数もトイレも載っていて、情報が最も確実です。本命を狙うなら万之瀬川河口ですが、後述する駐車場の時間制限を必ず確認してから行ってください。
江口浜(日置市東市来町)
江口浜海浜公園として日置市が公式に情報を出しているポイントです。所在地は日置市東市来町伊作田7425-12(江口蓬莱館隣)。
駐車場は普通車75台、身障者用2台、大型車5台。トイレもあります。海水浴場の開設中はシャワー棟も利用可。この一帯で設備情報が最も確実なポイントです。
狙えるのはキス、ヒラメ、マゴチ、ブリ。隣接する江口蓬莱館という物産館があるので、遠征のベースとしても使いやすい立地です。
【注意】サーフィンが盛んなエリアです。サーファーとの共用に配慮してください。また海水浴場の開設期間(例年7月中旬〜8月末)の遊泳区域内でのキャストは避けてください。
隣接する江口漁港には釣り禁止区域があるとの情報があります。現地の表示に従ってください。
万之瀬川河口(南さつま市)
吹上浜で最も知られたフラットフィッシュのポイントです。広大な汽水域と干潟が広がります。狙えるのはヒラメ(30〜60cm)、マゴチ、キス、メッキ、チヌ、スズキ。
地形としては約20m先にブレイクがあり遠投が有利とされ、上流側は護岸で足場良好、河口側はウェーディングが必要という記載があります。シーズンは4〜7月頃が好期、満潮からの下げか上げ7分以降とのこと。
【最重要・要確認】4月〜8月は駐車場が9:00〜18:30のみ開放という情報があります。ウミガメ産卵への配慮です。
これが事実なら、この時期の夜明け前・日没後の入釣は駐車場が使えません。マヅメ狙いの釣行計画が根本から変わります。ただしこの情報は釣り情報サイトが出典で、公的な裏付けは取れていません。行く前に必ず南さつま市に確認してください。
アクセスは九州道 鹿児島IC → 指宿有料道路 → 南さつま市方面 約40分。「吹上浜海浜公園」の標識が目印です。
入来浜・吹上漁港周辺(日置市吹上町)
日置市の公式サイトが「潮干狩り・海釣り」のスポットとして明示しているポイントです。吹上漁港と「吹上浜おさかな館」が近くにあります。
吹上漁港には駐車場とトイレがあり、ファミリー向けという記載があります。
市公式は「釣り糸・釣り針などは持ち帰る」と明記しています。当たり前のことですが、公式に書かれているということは、それだけ問題になっているということでもあります。
漁港内は漁業者が優先です。作業の邪魔にならない位置で竿を出してください。
永吉川河口(日置市)
河口の複合地形で、キス、ヒラメ、マゴチ、チヌ、スズキが狙えるとされています。
【注意】海岸まで約300mの徒歩が必要で、進入路が狭いという記載があります。対向車や地元の車両に配慮してください。夜間の路上駐車は絶対に避けましょう。
トイレの情報は確認できませんでした。江口浜や吹上漁港で済ませてから入るのが現実的です。
神之川河口(日置市)
ヒラメ、マゴチ、チヌの好ポイントという記載がありますが、駐車場・トイレともに情報が確認できませんでした。
河川そのものは日置市を流れる川として実在が確認できます。ただし現地情報が乏しいので、単独での初釣行はおすすめしません。
江口浜や万之瀬川で吹上浜の感覚を掴んでから、余裕がある日に様子を見に行く、くらいの位置づけが妥当だと思います。
吹上砂丘荘下海岸・吹上浜公園付近(日置市吹上町)
日置市の公式サイトが釣りの場所として明記しているエリアです。国民宿舎「吹上砂丘荘」の付近と、吹上浜公園陸上競技場の付近の2箇所が挙げられています。
公園と宿泊施設という明確な目印があるので、初めての遠征者でも迷いにくいのが利点です。
ただし釣り人が駐車場を使えるかどうかの公式な明記は確認できませんでした。施設の利用時間外の駐車には注意してください。
【注意】春夏は潮干狩り客と競合します。キャストする方向に人がいないか、必ず確認してから投げてください。
鹿児島県のルール
鹿児島県漁業調整規則で、遊漁者が使える漁具・漁法は次の5つに限定されています。
- さおづり および 手づり(トローリング・延縄は含まない)
- たも網 および 叉手網
- 投網(船を使用しないもの)
- は具、ほこ突き、やす
- 徒手採捕(潜水器を除く)
砂浜からのルアーキャスティングは「さおづり」に該当し、適法です。
禁止事項は、潜水器を使用した採捕、水中銃など発射装置の使用、水中に電流を通じた採捕、瀬干漁法、そして特定水産動植物(あわび、なまこ、うなぎの稚魚)の採捕です。
| 対象 | 採捕禁止期間 |
|---|---|
| アワビ | 11/1〜12/31 |
| トコブシ | 10/1〜翌4/30 |
| イセエビ類 | 5/1〜8/20 |
| アユ | 1/1〜5/31 |
イセエビは県内のほぼ全海域で漁業権の対象です。貝類・海藻類も種類により対象。無許可採捕は100万円以下の罰金で、漁業権侵害での告訴もあり得ます。潮干狩りで貝を採るときは特に注意してください。
なおヒラメ・マゴチ・ブリなどの体長制限については、県規則上の定めを確認できませんでした。県水産振興課への確認をおすすめします。
防波堤については、県内の防波堤などは基本的に立入禁止区域とする内容が確認されました。実務上は各漁港・港湾の管理者の現地掲示に従うことが絶対です。
安全情報
ライフジャケット
鹿児島県を管轄する第十管区海上保安本部によれば、令和元年の釣り中の事故者数は全国259人、うち約8割が海中転落です。
挙げられている3つのポイントがこれです。
- ライフジャケットの常時着用
- 防水パック入り携帯電話等による連絡手段の確保
- 118番(海上保安庁緊急通報)の活用
離岸流
正直に書くと、吹上浜そのものの離岸流について言及した公的資料は見つけられませんでした。
ただし全長47kmの外洋に面した遠浅サーフという条件は、海上保安庁が挙げる離岸流の発生条件(外洋に面している/遠浅で海岸線が長い/波が直角に入る)にそのまま当てはまります。他エリアと同等以上のリスクがあると考えて臨んでください。
桜島の降灰
吹上浜は薩摩半島の西岸で、桜島の西側にあります。降灰は風向き次第で方角が変わるので、影響の有無は日々の降灰予報で確認するしかありません。気象庁が降灰予報(速報/詳細/定時)を発表しています。
吹上浜への降灰の頻度や程度を示すデータは確認できませんでした。ただ、鹿児島に遠征するなら降灰予報をチェックする習慣は持っておいて損はないと思います。
台風・うねり
東シナ海に面した外洋サーフです。釣りビジョンの寒ブリ記事は「海が荒れて濁りが入るとベイトが接岸しない」としており、荒天時は安全面だけでなく釣果面でも不利になります。気象庁の波浪予報と海上保安庁の「海の安全情報(MICS)」を毎回確認してください。
遠征の実務情報
- 鹿児島空港にレンタカー各社(ニッポン、日産、スカイ、オリックス等)が営業
- 万之瀬川河口へは九州道 鹿児島IC → 指宿有料道路 → 南さつま市方面 約40分
- 釣具店は釣具のポイント 鹿児島谷山店・鹿児島与次郎店(いずれも鹿児島市内)
- レンタカーは必須。47kmのサーフを公共交通で移動するのは現実的ではありません
吹上浜近隣(日置市・南さつま市)の地元釣具店については、確認できる出典が見つかりませんでした。鹿児島市内で買い出しを済ませてから向かうのが無難です。
遠征前チェックリスト
- 当年の海水浴場開設期間(各市公式)
- ウミガメ産卵期(5〜8月)の駐車場開放時間(南さつま市に要確認)
- 気象庁の波浪予報・降灰予報
- 海上保安庁海の安全情報(MICS)
- ライフジャケット必携
宮崎・本州との違い
| 鹿児島(吹上浜) | 宮崎(日向灘) | 本州の太平洋側 | |
|---|---|---|---|
| 面する海 | 東シナ海 | 太平洋(日向灘) | 太平洋 |
| 冬の看板魚 | 砂ブリ | オオニベ | ヒラメ・青物 |
| 南方系の魚 | メッキ・ハタ類・カンパチが混じる | カンパチが混じる | 少ない |
| 特有の規制 | ウミガメ保護条例(産卵日本一) | まき餌禁止区域あり | エリアによる |
| 特有の環境要因 | 桜島の降灰 | ― | ― |
宮崎とセットで押さえると、南九州のサーフが一通りカバーできます。どちらも冬が本番なので、本州のシーズンが終わってからの遠征先として組み合わせやすい2県です。
宮崎については【宮崎】サーフおすすめポイント7選にまとめています。
まとめ
- 吹上浜は約47km、日本三大砂丘のひとつ。中田島砂丘の兄弟分
- 冬の看板は「砂ブリ」。85cm・78cmクラスの実績あり
- オオニベの実績は確認できなかった。宮崎=オオニベ、鹿児島=砂ブリ
- メッキ・ハタ類など南方系が混じる
- 吹上浜は屋久島と並ぶ県内主要のウミガメ産卵地。5〜8月の夜釣りは照明に最大限の配慮を
- 万之瀬川河口は4〜8月の駐車場が9:00〜18:30のみという情報あり。要確認
- 設備が確実なのは江口浜(市公式に駐車場75台・トイレの記載)
- 桜島の降灰予報をチェックする習慣を
遠州灘の中田島砂丘に通っている人にとって、同じ「三大砂丘」の浜で竿を出すのは、それだけで面白い経験になると思います。ウミガメのルールだけは守って、いい砂ブリを掛けてきてください。
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