シーバス(スズキ)はどんな魚か|出世魚の呼び名からエラ洗いの理由まで解説

ミナギマン

アングラー目線の魚図鑑 ② シリーズ第1回はヒラメを取り上げました。


シーバスは、日本のルアーフィッシングでもっとも多くの人が最初に本気になる魚だと思います。都会の運河でも、田舎の河口でも、外洋のサーフでも釣れる。それでいて簡単ではない。この懐の深さが人気の理由です。

この記事では、そのシーバスという魚そのものを掘り下げます。秋の実践的な狙い方は秋のシーバス開幕|9〜11月のパターンとルアーローテーションにまとめています。

基本データ

項目内容
標準和名スズキ
釣り人の呼び名シーバス
出世魚の呼び名セイゴ → フッコ(関西ではハネ) → スズキ
最大サイズ1mを超える個体も記録がある
ランカーの基準80cm以上
分布北海道南部から九州まで広く分布
生息場所河口、河川内、港湾、堤防、サーフ、磯
産卵期冬(おおむね12〜2月)、外海の深場で産卵
夏(産卵後に回復し、脂がのる)

出世魚としての呼び名

シーバスは成長にあわせて呼び名が変わる出世魚です。地域差が大きいのですが、代表的なのは次の通り。

サイズ目安関東関西
〜30cm程度セイゴセイゴ
30〜60cm程度フッコハネ
60cm以上スズキスズキ

そして釣り人の世界では、**80cmを超えると「ランカー」**と呼ばれます。ここが一つの大きな壁で、シーバスアングラーの多くが目標にしているラインです。

ヒラスズキ・タイリクスズキとの違い

シーバスには近縁の種類がいて、釣り場で混同されることがあります。

ヒラスズキ

  • 体高が高く、全体的にずんぐりして見える
  • 尾びれの付け根が太い
  • 主に荒磯のサラシに付く。同じシーバスタックルでも、狙う場所がまったく違う
  • 食味はマルスズキ(普通のシーバス)より上とされることが多い

タイリクスズキ

  • 体側に黒い斑点が散っている
  • 中国大陸由来で、養殖された個体が国内に定着したもの。釣れることがある

普段釣れるものは「マルスズキ」で、ヒラスズキと区別するときにこう呼び分けます。

なぜ河口にいるのか

シーバスの行動を理解する鍵は、塩分に強いことです。

シーバスは海水にも汽水にも淡水にも耐えられるため、河川のかなり上流まで入ってきます。これは餌の面で圧倒的に有利で、河川に集まるイナッコ(ボラの子)、稚アユ、ハゼなどを独占的に食べられます。

だから河口・河川がシーバスの一等地になります。特に、

  • 流れがヨレる場所(橋脚、堰、合流点)
  • 明暗の境目(常夜灯の光の切れ目)
  • 潮が動くタイミング

この3つが揃うところに高確率で付いています。逆に言えば、流れがない場所にはあまりいません

季節による居場所の移動はおおむね次の通りです。

時期主な居場所
春(3〜5月)産卵後の回復期。河口〜河川内、バチ抜けパターン
夏(6〜8月)河川内・港湾。夜メインの釣りになる
秋(9〜11月)1年で最も釣りやすい。ベイトを追って広範囲に
冬(12〜2月)大型は産卵で外海へ。残った個体を狙う難しい時期

春のパターンは春のシーバスにおすすめなルアー6選、梅雨時は【梅雨シーバス攻略】小雨なら釣りに行くべき?にまとめています。

エラ洗い ― シーバス最大の武器

シーバスを掛けると、多くの場合すぐに水面に飛び出して頭を激しく振ります。これがエラ洗いです。

なぜこれをするのか。水面に出ることで、シーバスは水の抵抗がない状態で頭を振れるようになります。水中では体の周りの水が動きを抑えますが、空中ならその制約がない。結果として、口に掛かったフックに強い力がかかり、外れやすくなります。

つまりエラ洗いは、バラすために最適化された動きです。

対策はシンプルで、

  1. ロッドを寝かせる(サイドに倒して、魚の頭を水中に向けさせる)
  2. テンションを緩めない
  3. 水面に出そうになったら、巻いて水中に引き戻す

「バレたと思ったら、まだ付いていた」ということもよくあるので、外れた感覚があっても最後まで巻き切ってください。

触るときに気をつけること

シーバスで危ないのはエラぶたです。

エラぶたの縁は薄い刃物のように鋭く、握り込むと簡単に手が切れます。しかも切れ方が深い。フィッシュグリップで下顎を掴むのが基本で、素手で扱うならエラぶたには絶対に指を入れないでください。

背びれの棘も硬く鋭いので、上から鷲掴みにするのも避けたほうが無難です。

タックルの目安

項目河口・港湾サーフ・大河川
ロッド8.6〜9.6ft ML9.6〜11ft M
リール3000番クラス4000番クラス
PEライン0.8〜1.0号1.0〜1.5号
リーダーフロロ16〜20lbフロロ20〜30lb
ルアー7〜12cm12〜18cm

ロッド選びはメーカー別にシーバスロッドを7つ紹介、リールはおすすめシーバスリール7選、ルアーはシーバスルアーおすすめランキング10が参考になります。

ビッグベイトでランカーを狙うならビッグベイト対応ロッドおすすめ9選もどうぞ。

サーフでヒラメと兼用したい人にはシーバスフラットXが使いやすいです。

食味と持ち帰り方

シーバスは釣った場所で味がまったく変わる魚です。ここが他の魚と大きく違うところ。

  • 外洋・サーフ・磯で釣れた個体:クセがなく美味しい。刺身、洗い、ムニエル、アクアパッツァ
  • 河川内・都市部の運河で釣れた個体:泥臭さが出ることがある

食べる目的があるなら、海に近い、水がきれいな場所で釣れた個体を選んでください。旬は夏で、産卵から回復して脂がのっています。

持ち帰るなら必ず血抜きをしてください。シーバスは血の量が多い魚なので、締めるかどうかで味の差が非常に大きく出ます。

よくある質問

Q. シーバスは食べられないの? 食べられます。「シーバスはリリースするもの」という文化が強いだけで、味は良い魚です。ただし場所による差が大きいので、上に書いた基準で判断してください。

Q. アニサキスは? シーバスは比較的リスクが低い部類とされますが、生食する以上ゼロではありません。魚種ごとのデータはアニサキスが多い魚ランキングで確認できます。

Q. なぜ「シーバス」と呼ぶ? ルアーフィッシングが海外から入ってきた際の呼称が定着したものです。標準和名はあくまでスズキです。

Q. 昼でも釣れる? 釣れます。夜のほうが釣りやすいのは事実ですが、秋や荒天時、濁りが入ったときは日中でも十分に狙えます。

まとめ

  • セイゴ→フッコ(ハネ)→スズキ、80cm超でランカー
  • 淡水にも耐えるから河口・河川が主戦場。流れのある場所を狙う
  • エラ洗いはバラすための動き。ロッドを寝かせて頭を水中へ
  • エラぶたが刃物のように鋭い。グリップ必須
  • 味は釣った場所次第。海に近いほど美味しい

次回は青物(ブリ・ワラサ)。ショアからの一発逆転を狙える、あの引きの強い魚たちです。

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    遠州灘サーフアングラー
    1994年生まれ。出身は兵庫県で海を求めて静岡県磐田市に移住してきました。サーフフィッシングを楽しんでいる遠州灘サーフアングラーです。YouTubeでも活動しており、伊良湖から磐田までをフィールドとしています。
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