ヒラメはどんな魚か|釣り人目線で見分け方・生態・食味まで解説

ミナギマン

サーフアングラーにとって、ヒラメは特別な魚です。数が釣れる魚ではないし、1日投げて1回もアタリがない日も普通にあります。それでも通ってしまうのは、あの一瞬のバイトと、上がってきたときの平たい白さが忘れられないからだと思います。

この記事では、そのヒラメという魚そのものについて書きます。釣り方の実践編は【初心者サーフ講座 ヒラメ編①】ヒラメの生態を知るから始まる連載にまとめてあるので、この記事は「魚としてのヒラメ」を知る回として読んでください。

基本データ

項目内容
標準和名ヒラメ
よく使われる呼び名ソゲ(小型)、座布団(大型)
最大サイズ全長80cmを超える個体も確認されている
釣り人が喜ぶサイズ50cmから「良型」、60cm超で「座布団」
分布北海道から九州まで、日本各地の沿岸
主な生息場所砂地・砂泥底。サーフ、河口、堤防周り
産卵期春〜初夏(地域差が大きい)
冬(寒ビラメ)

カレイとの見分け方は「向き」と「口」

左ヒラメに右カレイ。腹を手前にして、目のあるほうを上に向けたとき、頭が左に来るのがヒラメです。

ただし例外もあるので、確実に見分けたいならを見てください。

  • ヒラメ:口が大きく、鋭い歯がびっしり並んでいる
  • カレイ:口が小さく、おちょぼ口。歯も目立たない

これは食性の違いがそのまま出ています。ヒラメは小魚を追って食べるフィッシュイーター、カレイはゴカイなどを食べる魚です。ルアーで釣れるのがヒラメで、カレイが投げ釣り(餌)の対象になるのはこのためです。

サーフで釣れる似た魚としては、他にマゴチがいます。こちらはマゴチの図鑑記事(※本シリーズ第5回)で詳しく解説します。

ヒラメがそこにいる理由

ヒラメは基本的に砂に潜って待ち伏せする魚です。自分から泳ぎ回ってベイトを追いかけ続けることはあまりしません。目の上を通るベイトに、下から急上昇して襲いかかります。

ここから、釣り人にとって大事な結論が2つ出ます。

1. ヒラメは「ベイトが通る場所」にいる

自分で追わないので、ベイトが自然に集まる地形に依存します。離岸流、ブレイク(かけ上がり)、河口の流れ込み。ヒラメを探すというよりベイトの通り道を探すほうが早いです。場所の読み方は【初心者サーフ講座 ヒラメ編⑧】サーフの場所選びにまとめています。

2. ルアーはヒラメの「上」を通す

下から襲う魚なので、ボトムをズル引きするよりも、底から少し浮かせたレンジを通したほうが食ってきます。ジグやミノーをボトムから20〜50cm上でキープするイメージです。

釣れる時期カレンダー

時期状況
春(3〜5月)産卵絡みで浅場に寄る。数は出にくいが良型のチャンス
夏(6〜8月)高水温で沖に落ちやすい。朝夕とサーフの水通しがいい場所を狙う
秋(9〜11月)一番釣りやすい。ベイトが濃く、数もサイズも狙える
冬(12〜2月)数は減るが食味は最高。寒ビラメの季節

「釣りやすさ」なら秋、「うまさ」なら冬。この2つがズレているのがヒラメという魚の面白いところです。秋の狙い方は【サーフ】秋のヒラメ釣りの魅力【初心者サーフ講座 ヒラメ編⑪】秋のヒラメ釣りで数を狙おうをどうぞ。

掛けたときの動き方

ヒラメのファイトには特徴があります。

  • 最初の一撃が強い。ゴンッという明確なバイト
  • その後は意外に大人しい。青物のような突っ走りはしない
  • 波打ち際で急に暴れる。ここが最大のバラシポイント
  • 平べったい体を波に乗せると重い。魚のサイズ以上に抵抗を感じる

問題は口の硬さです。ヒラメの口は硬い部分が多く、フックが貫通しづらい。だから「即アワセせず、しっかり重みが乗ってから合わせる」が鉄則になります。フッキングの詳細は【初心者サーフ講座 ヒラメ編⑩】ヒラメ釣りでのフッキングを極めろ!、やり取りとバラシ対策は【ヒラメ編⑫】バラシを防ぐやり取りにまとめています。

そして波打ち際。ここでリールを巻き続けると、引き波で一気にテンションが抜けてバレます。波が寄せるタイミングに合わせて、波と一緒に魚を滑らせるのが正解です。

触るときに気をつけること

ヒラメで一番危ないのはです。

フィッシュイーターらしく、上下の顎に鋭い歯が並んでいます。フィッシュグリップなしで口を掴むと普通に切れます。必ずグリップかプライヤーを使ってください。

もう一つ、砂の上に置いたヒラメは思いのほか跳ねます。フックが付いたまま暴れると自分の手に刺さるので、まずフックを外す、次に写真を撮る、という順番を守ると安全です。

タックルの目安(サーフから狙う場合)

項目目安
ロッド9.6〜11ft、MLクラス
リール4000番クラス
PEライン1.0〜1.2号
リーダーフロロ20〜30lb
ルアー30〜40gのメタルジグ、ミノー、ワーム

ロッド選びは初心者向けサーフロッドおすすめ9選、リールはサーフフィッシング用リールの選び方、ラインはPEラインとリーダーの選び方を参考にしてください。装備一式はサーフフィッシングの装備完全版にまとめています。

食味と持ち帰り方

ヒラメは白身の高級魚です。刺身、昆布締め、ムニエル、煮付け、どれをやってもうまい。特にエンガワ(背びれ・尻びれを動かす筋肉)は脂がのっていて、ヒラメを釣った人だけの特権と言っていい部位です。

うまく持ち帰るコツは3つ。

  1. 釣ってすぐ締める。エラの付け根を切って血を抜く
  2. 氷締めにしない。真水の氷に直接漬けると身が水っぽくなる。氷は袋やペットボトルに入れて間接的に冷やす
  3. すぐには食べない。ヒラメは1〜2日寝かせたほうが旨味が乗ります

持ち帰り方の実践的な話は【ランガンクーラー】サーフで釣った魚をキープするおすすめ方法にまとめています。

なお寄生虫については、ヒラメはアニサキスのリスクが比較的低い魚とされていますが、ゼロではありません。魚種ごとのリスクはアニサキスが多い魚ランキングで公的データをもとに整理しています。

よくある質問

Q. ソゲは何cmから? 明確な定義はありませんが、40cm以下をソゲと呼ぶことが多いです。地域や人によって基準は違います。

Q. 小さいヒラメはリリースすべき? はい。都道府県によっては再放流のサイズ指導や規則がある場合があります。釣行前に地元の漁協や県の水産部局の情報を確認してください。規則がない場所でも、30〜40cm以下は逃がすアングラーが多数派です。

Q. 養殖と天然の見分け方は? 裏側(目のない面)に黒い斑点(パンダ模様)があるのが養殖の特徴とされています。釣れるヒラメは基本的に天然ですが、放流魚が混ざることはあります。

Q. ヒラメが釣れません それが普通です。それでも改善したい人は【ヒラメ編⑬】ヒラメが釣れない初心者にアドバイスを読んでみてください。

まとめ

  • 見分けは左ヒラメに右カレイ、確実なのは口と歯
  • 砂に潜って下から襲う魚。ルアーは底から少し上を通す
  • 釣りやすいのは、うまいのは
  • 歯が鋭い。グリップ必須
  • 締めて、間接的に冷やして、1〜2日寝かせるとうまい

次回はシーバスを取り上げます。サーフでヒラメを狙っていると必ず混ざってくる、あの魚です。

ABOUT ME
ミナギマン
ミナギマン
遠州灘サーフアングラー
1994年生まれ。出身は兵庫県で海を求めて静岡県磐田市に移住してきました。サーフフィッシングを楽しんでいる遠州灘サーフアングラーです。YouTubeでも活動しており、伊良湖から磐田までをフィールドとしています。
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