サーフで釣った青物の締め方・血抜き・持ち帰り方|砂浜で失敗しない手順を解説

ミナギマン

サーフで青物が釣れると、まず嬉しさで頭がいっぱいになります。でも実は、魚の味が決まるのは釣れてからの最初の10分です。

暴れさせたまま放置した魚は、身の温度が上がって血が全身に回り、いわゆる「血生臭い」状態になります。逆に手順さえ押さえておけば、サーフで釣った魚でも刺身で十分美味しく食べられます。この記事では、ブリ・ワラサなどの青物を想定して、砂浜という条件の中でどう締めて、どう持ち帰るかを順番に解説します。

結論:やることは4つだけ

順番やること目的
脳締め(即殺)暴れさせない。身の温度上昇と乳酸の蓄積を防ぐ
血抜き生臭さの原因になる血を抜く
神経締め(できれば)死後硬直を遅らせて鮮度を長持ちさせる
氷締め・冷却中心温度を早く下げる。ここが一番差が出る

③の神経締めは慣れが必要なので、最初は①→②→④の3つだけでも十分効果があります。むしろ④を雑にして①②だけ丁寧にやるより、①②④を普通にやったほうが美味しく食べられます。

できれば全部やりたいけど、神経締めは難易度高め( ;∀;)

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① 脳締め|まず暴れさせない

釣り上げた魚をそのままクーラーに放り込むと、中で暴れ続けます。この間に体温が上がり、筋肉に乳酸がたまって、身が柔らかく味の落ちた状態になっていきます。だからまず、動きを止めます。

青物の場合、脳は目と側線の延長線が交わるあたり、目の少し斜め上後方にあります。ここにナイフの先やピックを差し込み、一度で確実に刺します。うまく入ると魚が一瞬ビクッと硬直し、口やヒレが開いて動きが止まります。

  • 刺す位置がずれると魚が暴れて危険。押さえる手はエラ蓋の外側に置き、刃の進行方向に手を置かない
  • 波打ち際でやると魚が滑って狙いが定まらない。必ず波の来ない位置まで下がってから
  • ワラサ・ブリサイズは力が強い。無理に片手で押さえず、体重をかけて押さえる

ここで使う道具は、刃渡りがあり錆びに強いフィッシングナイフが1本あれば十分です。選び方は【2026年】フィッシングナイフおすすめ9選にまとめてあります。

② 血抜き|エラの根元を切って海水に浸ける

脳締めで動きを止めたら、続けて血を抜きます。心臓がまだ動いているうちにやるほど抜けが良いので、①からあまり間を空けないのがコツです。

  • エラ蓋を開き、エラの付け根(背骨側)の膜をナイフで切る
  • 尾の付け根にも切り込みを入れると、より抜けやすくなる
  • 頭を下にして海水に浸け、そのまま数分置く

バケツがあれば海水を汲んで浸けるのが確実ですが、サーフなら波打ち際で魚を保持しておくだけでも抜けます。ただし波にさらわれない位置で、ロープやストリンガーを使うこと。せっかくの魚を波に持っていかれる事故は毎シーズン起きています。

血抜き後は、体の中の血が薄まった状態になります。ここまでやってからクーラーに入れると、家で捌いたときの匂いがまったく違います。

③ 神経締め|やれるならやる、くらいの位置づけ

脳締めのあと、頭側の穴から専用のワイヤーを背骨の上の神経の通り道に通し、神経を破壊する方法です。死後の余計な信号を止めることで、死後硬直が始まるまでの時間を延ばすのが目的になります。

翌日以降に刺身で食べたい、遠方から長時間かけて持ち帰る、といった場合には効果が分かりやすい一方、その日のうちに食べるなら①②④だけでも十分な差は出ます。まずは脳締めと血抜きを確実にできるようになってから足すのがおすすめです。

④ 冷却|実は一番差が出るのがここ

締めて血を抜いても、冷やすのが遅ければ意味が薄れます。特に秋の日中はまだ気温が高く、クーラーの中でも温度が上がります。

潮氷(氷海水)をつくる

氷だけのクーラーに魚を入れても、接している面しか冷えません。氷に海水を加えて氷水の状態にすると、魚全体が水に包まれて一気に芯まで冷えます。これが「潮氷」「氷締め」と呼ばれる方法です。

  • クーラーに板氷・ペットボトル氷などを入れ、海水を氷が半分浸かるくらいまで注ぐ
  • 締めて血抜きした魚を入れる
  • 真水は身が水っぽくなるので、必ず海水を使う

また、氷を直接魚の身に長時間当て続けると、その部分だけ白く変色する「氷焼け(身焼け)」が起きます。新聞紙やビニール袋で1枚包んでから入れると防げます。

サーフで冷やす道具の問題

サーフのランガンでは大きなクーラーを持ち歩けません。移動しながらどう魚をキープするかは【ランガンクーラー】サーフで釣った魚をキープするおすすめ方法で詳しく書いていますが、基本の考え方はこの2択です。

スタイル方法向いている人
車が近い車にクーラーを置き、釣れたら戻って処理駐車場からの距離が短いポイント
ランガン中心小型のソフトクーラーやストリンガーで一時キープ→こまめに車へ広く歩いて探る人

ストリンガーで海中にキープする場合は、波でこすれて身が傷むこと、フグやカニに齧られることがある点に注意してください。長時間の放置には向きません。

クーラーに入らないサイズが釣れたら

ブリクラスになると、そもそもクーラーに入りません。よくある対処は次の通りです。

  • 尾を折る・曲げて入れる:尾の付け根に切り込みを入れて曲げる。血抜きも兼ねられる
  • 頭を落とす:現場で内臓ごと処理してしまう。ゴミの持ち帰りは必須
  • 大きめのビニール袋+保冷剤で包む:クーラーを諦め、車まで短時間で運ぶ前提

なお、釣り場での内臓の投棄はマナー違反で、禁止されている釣り場も多くあります。処理する場合は必ず袋に入れて持ち帰ってください。

内臓は早めに抜く|アニサキス対策として

青物を含む多くの魚では、アニサキスは主に内臓に寄生しています。魚が死んで時間が経つと、内臓から筋肉(身)へ移動することが知られており、早めに内臓を抜いておくことが身への移行を減らす基本的な対策になります。魚種別の寄生率はアニサキスが多い魚ランキング|カツオ82.8%・サバ28.1%【公的データ】にまとめてあります。

加えて、加熱(60℃で1分以上)または冷凍(−20℃で24時間以上)で失活します。生食する場合は、捌くときに目視でしっかり確認してください。

暗い場所での確認には専用ライトを使うと見つけやすくなります(参考:津本式アニサキスライト)。自分も使ってますが、怖い人にはまじでおすすめします

よくある失敗

失敗何が起きるか対策
締めずにクーラーへ中で暴れて体温上昇。身が柔らかく味が落ちるまず脳締めで動きを止める
血抜きを省略家で捌くと血生臭いエラの根元を切って海水に浸ける
氷だけで冷やす接地面しか冷えず芯が冷えない海水を入れて潮氷にする
氷を身に直当て氷焼けで白く変色新聞紙やビニールで包む
真水で冷やす身が水っぽくなる必ず海水を使う
内臓を抜かず長時間放置アニサキスが身へ移動しやすい早めに内臓を処理する

よくある質問

Q. 締めた魚はいつ食べるのが美味しい?

当日は身が締まった食感、翌日以降は旨味が乗ってくる、というのが一般的な傾向です。ただし血抜きと冷却が不十分な魚を寝かせると、単に劣化するだけになります。まずは処理を丁寧にすることが先です。

Q. リリースするつもりなら何もしなくていい?

その場合は逆に、できるだけ素早く針を外して、手で長く握らずに戻してください。締める予定がない魚を砂の上に長く置くのは、体表の粘膜を傷めるので避けたいところです。

Q. タチウオやヒラメも同じ手順?

基本の流れは同じです。ただしタチウオは歯が非常に鋭いので、押さえ方に特に注意が必要です。ヒラメは青物ほど暴れないぶん、血抜きと冷却を丁寧にやるだけでも十分違いが出ます。

まとめ

  • 味が決まるのは釣れてからの最初の10分
  • 順番は 脳締め → 血抜き → (神経締め) → 冷却
  • 神経締めは後回しでいい。まずは①②④を確実に
  • 冷やすときは氷だけでなく海水を入れて潮氷にする
  • 内臓は早めに抜く。アニサキス対策の基本

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遠州灘サーフアングラー
1994年生まれ。出身は兵庫県で海を求めて静岡県磐田市に移住してきました。サーフフィッシングを楽しんでいる遠州灘サーフアングラーです。YouTubeでも活動しており、伊良湖から磐田までをフィールドとしています。
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