【最新版】リールが水没してしまった!やるべきことと、やってはいけないこと。
緊急事態!リールが水没してしまったよー!
まずは落ち着くのじゃ。対処法を紹介するぞい。
今回は、リールを誤って水に落としてしまった場合の対応方法についてご紹介します。
リールが水没してしまうと、水が淡水か海水かによって、対処の手順やリスクが異なります。適切に対応すれば、リールは問題なく引き続き使用できますが、不適切な処理を行うと高額な修理費用が発生する可能性があります。
リールの水没に対する対処方法は、自己責任で行ってくださいね!
海水と淡水で対処法が異なる
川や湖で水没させた場合と、海で水没させた場合では、リールに与えられるダメージの程度が大きく異なります。
海でリールを落としてしまった場合は、メーカーによるメンテナンスを前提とすることが重要です。基本的に、海水に水没させたリールは、そのまま使用することは避けるべきです。海水に浸かると、リール内部に海水が入り込むことになります。
この海水がリール内部に入り込んでしまった場合、水分が蒸発しても塩分が結晶化し、リール内部に固まってしまいます。これにより、リールの巻き心地が著しく悪化したり、最悪の場合はリールが腐食して使用不能になることもあります。
したがって、海水にリールが水没した場合は、応急処置を施し、その後はメーカーに修理を依頼することを優先すべきです。
淡水でのリールの水没については、一部の人々は軽微な水没であれば問題ないと考えることがあります。しかし、淡水であっても、水域によっては微細な土やゴミの粒子が含まれていることが多いため、油断は禁物です。
特に、濁りが強い泥水のような水域でリールを水没させてしまうと、海水に水没させた場合以上に最悪の事態に陥ることがあります。
例えば、土の粒子などが多量かつ大きい状況でリールのハンドルを回すと、ギアがこれらの粒子を捉え、瞬時に「ゴロゴロ」とした感触を生じさせることがあります。これは私が実際に経験した苦い教訓です。この件については後ほど詳しく述べます。
つまり、海水であれ淡水であれ、リールを水没させた後にハンドルを回すことは、リールの心臓部であるギアにさらに深刻なダメージや影響を与える恐れがあるのです。
リールを水没させた後には、無意識のうちに「大丈夫かな」とハンドルを回してしまいがちですが、この行動が状況を悪化させる原因になり得るため、まずはこの行動を避けることが重要です。
ハンドルは絶対に回さないでおこうね!
水没後にやるべきこと
1. リールを振って水を切る
リールを傾けたり振ったりして、内部の水を切るのは基本的に問題ありません。事実、リール内部に水を溜めておくことは避けるべきです。ハンドルが回ることもあるので、振る際にはハンドルを押さえながら行うと良いでしょう。やる際には優しく軽い力で水を抜くことが大切です。
2. 水道水で洗う
特に海水に水没させた場合は、できるだけ早く綺麗な水道水で洗いましょう。リールの表面だけでなく、内部にも水を流し入れてください。ただし、ドラグは締めてから洗うと良いです。ドラグ内部に水が溜まると油脂が流れ出し、性能が低下する可能性があるためです。スピニングリールの場合、ラインローラー周辺も特に丁寧に洗うことが推奨されます。淡水であっても、表面に付着した粒子や泥を洗い流す程度は行うべきです。ただし、この時もハンドルは回さないことが重要です。
3. できるだけ早くメーカーにオーバーホール依頼する
水没させた場合、最適な対処法はメーカーにオーバーホールを依頼することです。自分で分解清掃を行える人もいますが、その場合は自己責任で行うことになります。少し費用がかかってもメーカーで洗浄と油脂交換を行うことをお勧めします。ハンドル回転時にゴロつきが発生するリールは、適当に洗って使用を続けると、修理代金が高額になることがあります。特にハイエンドクラスのリールの場合、内部のベアリングの数も多く、各パーツの値段も高いため、大量交換が必要になると見積もり額は非常に高くなります。
海水の場合の対処法
海水にリールを水没させた場合、基本的には内部に海水が入り込んだリールをそのまま使用することは避けるべきです。重要なのは、内部の海水をできるだけ取り除いてからメーカーに修理を依頼することです。
防水機能がないスピニングリールの場合、特に注意が必要です。最近では、1万円以上のリールには防水機能が搭載されていることが多いですが、エントリーモデルのリールにはそのような機能がないことも多く、水没すると大量の海水が内部に入り込みます。
このような場合の潮抜きの手順としては、以下のように行います。
- リール本体を約40度のぬるま湯に浸し、水中でラインローラーやベール、ハンドルノブなどを動かす。
- リール本体を数分間水に浸して潮を抜く。
- 水気を切ってから修理を依頼する。
私自身が行った方法では、ぬるま湯にリールを数分間浸して潮抜きを行い、その後オーバーホールをしました。内部の海水はしっかり取り除かれていましたが、これを怠ると内部の海水が結晶化し、ギアやベアリングの全面交換が必要になる可能性があります。
防水機能付きスピニングリール(マグシールドやXプロテクトなど)の場合は、水没してもリール内部に海水が入りにくいため、潮抜きの手順も異なります。この場合、スプールやハンドルなど外せる部分を外してぬるま湯に浸し、リール本体は数秒間浸してラインローラーやベールを動かします。その後、水気を切って修理依頼をします。防水機能付きのリールは長時間水に浸すと内部に水が入る原因になることもあります。
両軸リールやベイトリールを水没させた場合(電動リールは除く)の手順は、ぬるま湯にリールを浸し、ハンドルを回したり、クラッチのオンオフを行いながら潮抜きをします。
淡水の場合の対処法
川や湖、池などの澄んだ水にリールを落としてしまった場合、泥や砂利が少ない状況であれば、リールはそのまま使用可能なことが多いです。山中の渓流でイワナ釣りをする際、リールの水没はよくある出来事ですが、水が綺麗で不純物が少ないため、特に問題なくリールを使用し続けています。このような状況で気をつけるべき点は、ドラグの効き具合です。ドラグが滑るか、逆に滑りが悪くなっている場合は、ドラグワッシャーの分解・洗浄とグリスアップ、またはメーカーによるドラグ部のメンテナンスを検討してください。
リールの巻きにザラつきなどの異変がある場合は、内部に不純物が侵入している可能性があります。このような場合は、メーカーへのメンテナンス依頼、または自己責任での分解・オーバーホールが必要です。異変を感じた際は、すぐに使用を中断し、内部のギアやベアリングなどの破損を防ぐことが重要です。
泥や砂が多い水域でリールを水没させた場合は、リール内部や隙間に泥や砂の粒子が入り込んでいる可能性があります。このような場合は、水没後にリールの違和感をチェックし、以下の点に注意してください。
- リールがスムーズに巻けるか(重い場合は巻けなくなる可能性がある)
- ラインを巻き取る際、ラインローラーから異音はしないか
- ベイトリールの場合、クラッチがスムーズに切れるか
もし違和感がある場合は、使用を中止し、リール内部を傷める前にメーカーへ依頼してください。違和感がなくても、簡単なシャワー洗浄を行うことをお勧めします。
オーバーホールについて
オーバーホールの費用はどのくらいか、というご質問に対して、メーカーによって提供されるサービスの内容とその料金は様々です。一部のメーカーでは、最低限の検査と注油のみを行う基本的なコースから、リールを隅々まで分解し、徹底的にメンテナンスするコースまで幅広く提供しています。
水没したリールのオーバーホールを依頼する際には、各メーカーが提供する「基本コース」が十分であると考えられます。たとえば、ダイワでは「S(スタンダード)コース」、シマノでは「Bコース」がそれに相当します。
分解・洗浄・油脂交換のみの場合、費用はおそらく5,000円未満が一般的です。ただし、同時に摩耗したベアリングやパーツの交換を依頼する場合は、料金は完全にケースバイケースとなります。
オーバーホールの依頼方法については、お近くの釣具店にリールを持ち込み、「水没させたためオーバーホールを依頼したい」と伝えれば問題ありません。店員からは、「分解洗浄・油脂交換のみか」「他の気になる部品の交換も行うか」など、具体的なサービス内容について質問される可能性がありますので、ご自身の希望に応じたサービスを選択してください。
自分でメンテナンス
自分でメンテナンスしたい方はこちらのメンテナンスキットがおすすめです。
まとめ
リールの内部に塩分や土の粒子などが大量に侵入してしまった場合は、そのリールの使用を断念するのが賢明です。
分解洗浄と油脂交換を行わなければ、状況が改善することは決してありません。むしろ、使用を続けることで状況は悪化する一方です。
海水に限らず淡水でも、リールにトラブルが発生することは意外にも頻繁にあります。そのため、大切なリールを守るためには、使用を諦めてメーカーにオーバーホールを依頼し、数千円のコストをかけてリールを綺麗にすることが最も確実な方法です。