【静岡】御前崎〜牧之原サーフおすすめポイント6選|遠州灘で唯一の岩礁エリア
今回は静岡県の御前崎〜牧之原エリアのサーフフィッシングポイントを紹介します。
このブログの主戦場は遠州灘ですが、いつも書いているのは西側(浜松・磐田・田原・伊良湖)です。今回は同じ遠州灘でも性格がまったく違う東の端を取り上げます。
結論から言うと、このエリアだけは「砂浜一辺倒の遠州灘」ではありません。そこが面白いところです。
御前崎エリアは、遠州灘のなかで唯一の例外
静岡県の資料によれば、遠州灘は「天竜川河口を頂点として東西に緩やかな弧を描く、我が国有数の長大な砂浜海岸」で、「浜岡砂丘や中田島砂丘に代表される砂丘がほぼ全域にわたって発達」しています。
ところが、環境省の海域評価にこういう記述があります。
天竜川河口から渥美半島までは連続した大規模な砂浜生態系を形成するが、御前崎周辺沿岸だけはコンブ目やホンダワラ科主体の海藻群落となっている。
環境省「駿河湾西域・御前崎・遠州灘沿岸」
「御前崎周辺沿岸だけは」。ここが決定的です。延々と砂浜が続く遠州灘のなかで、御前崎の周りだけが岩礁と海藻帯を持っているということが、公的な資料で裏付けられています。
釣り人にとって何を意味するか。砂浜の魚と、岩礁の魚が同じエリアで狙えるということです。実際、御前崎周辺ではヒラメ・マゴチに加えてヒラスズキやイシダイが対象魚に挙がります。西側の砂浜サーフでは、まず出てこない顔ぶれです。
岬を境に、太平洋側と駿河湾側で海が変わる
御前崎市の公式サイトは、御前崎ロングビーチについて「太平洋側のダイナミックな波と、駿河湾側の穏やかで浅い海」の両方を持つ点を特徴として挙げています。
これも実務的に大きな意味があります。片方が荒れていても、岬の反対側に回れば釣りになる可能性があるということです。西側の一直線の遠州灘では、時化たら全滅ということが普通に起こります。逃げ場があるサーフ、というのは遠征組にとって想像以上にありがたい条件です。
浜岡砂丘は遠州灘のなかでは急深
釣り場情報サイトの実測ベースの記載を並べると、こうなります。
| 場所 | 岸から約40m地点の水深 |
|---|---|
| 浜岡砂丘 | 約2.5m |
| 御前崎 坂下〜メロン前(岸から約35m) | 約1.6〜1.7m |
| 中田島海岸(浜松市) | 約1.8〜2m |
浜岡砂丘は「遠州サーフの中では比較的急深な地形をしているのが特徴的」とされ、青物やタチウオの回遊も見込めると記載されています。
※これらは釣り情報サイトの数値で、公的な測量値ではありません。あくまで目安として捉えてください。
狙える魚とシーズン
| 魚種 | 時期の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ヒラメ | 11〜12月が最盛期(静波海岸の記載) | 朝夕マズメ |
| マゴチ | 夏がメイン | ― |
| 青物(ワカナゴ) | 夏 | ― |
| 青物(ワラサ・ブリ) | 晩秋 | 「晩秋から冬に西風が強まると魚も集まりやすい」 |
| シーバス | 秋(10月ピーク) | 春も有効 |
| ヒラスズキ | ― | 岩礁が絡む御前崎ならでは |
| クロダイ | 9月が最高潮、春の乗っ込み3〜5月 | ― |
| シロギス | 6〜10月(ピーク6月) | ― |
| オオニベ | 時期は不明 | 浜岡海岸で対象魚として挙げられている |
「晩秋から冬にかけて西風が強まると魚も集まりやすい」という現地釣具店の記載は、覚えておく価値があります。西風は西側の遠州灘サーフでは向かい風になりがちですが、このエリアでは条件を作る風になります。
ポイント比較
| ポイント | 市 | 駐車場 | トイレ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 浜岡砂丘 | 御前崎市 | 市営無料・常時開放 | あり | 遠州灘では急深。青物・タチウオも |
| 千浜海岸 | 掛川市〜御前崎市 | あり | あり | 浜岡砂丘の西に連続 |
| 坂下〜メロン前 | 御前崎市 | 県道沿いに複数 | あり(時間外も可) | 沈み根が点在。ヒラスズキも |
| 御前崎ロングビーチ | 御前崎市 | 市営無料・400台以上 | 複数あり | 岬の両面。ウミガメ産卵地 |
| さがらサンビーチ・相良港 | 牧之原市 | 漁港北側に広いスペース | 不明 | 遠浅。河口が隣接 |
| 静波海岸 | 牧之原市 | あり(7〜19時、夏季有料) | あり | サーフィンの一大ポイント |
初めて入るなら浜岡砂丘か御前崎ロングビーチです。どちらも市営の無料駐車場が常時開放されていて、トイレもあります。遠征で一番のストレスになる部分が解決済みです。
浜岡砂丘(浜岡海岸)
御前崎市池新田。このエリアの本命と言っていいポイントです。
底質はきめの細かい砂泥底で、遠州サーフの中では比較的急深。岸から40mで約2.5mという数字が出ています。この水深があるため、青物やタチウオの回遊も見込めるとされています。
狙えるのはヒラメ、マゴチ、シーバス、青物(ブリ・カンパチ)、キス、イシモチ、クロダイ、キビレ。地元釣具店は「晩秋から冬にかけて西風が強まると魚も集まりやすい」と記載しています。
駐車場は浜岡砂丘市営無料駐車場。御前崎市公式が「常時開放されています」と明記しているので、夜明け前の入釣でも問題ありません。トイレと自販機もあります。アクセスは菊川ICから約25分。
注意点として、この駐車場は観光客と共用です。砂丘を見に来る人も使います。違法駐車をしない、ゴミを持ち帰る、この2つは徹底してください。テトラなどの障害物も点在します。
千浜海岸
浜岡砂丘の西側に連続する海岸です。情報サイトでは「浜岡砂丘〜千浜海岸」として一括で扱われることが多く、実質的に地続きの同じサーフと考えていいエリアです。
狙えるのはイシモチ、スズキ、シロギス、ヒラメ、マゴチ、ボラ。駐車場とトイレはあるとされていますが、無料か有料か、台数がどれくらいかまでは確認できませんでした。
アクセスは菊川ICから約25分、菊川駅からタクシーで約30分。最寄りの釣具店は浜岡釣具(火曜定休)です。
浜岡砂丘が混んでいるときの逃げ場、という使い方が現実的だと思います。
御前崎 坂下〜メイン〜メロン前
御前埼灯台の西側に広がるサーフで、西から「坂下」「メイン」「メロン前(メロン下)」と呼ばれています。県道357号沿い、「みさきの広場」の西側約1kmあたりです。
ここが御前崎エリアの性格をいちばんよく表しているポイントです。遠浅の砂泥底なのですが、沈み根が点在していて根掛かりが多い。沖には瀬があって波が立つ場所もあります。
だからルアー選択が変わります。メタルジグでボトムをズル引きするのは向きません。フローティングミノーや、浮き上がりの早いジグヘッドリグが推奨されています。西側の砂底サーフと同じ感覚で入ると、ルアーを失い続けることになります。
対象魚はヒラメ、マゴチ、シーバス、ヒラスズキ、ブリ、カンパチ、キス、クロダイ、イシモチなど。秋と春はシーバス・ワラサ狙いが有効とされています。
駐車場は県道沿いに複数、トイレは時間外も利用可能とのこと。ただしサーフィンポイントとしても非常に人気があるエリアです。トラブルにならないよう、距離感には最大限気を配ってください。
御前崎ロングビーチ
御前埼灯台から薄原にかけての海岸で、御前崎市の公式サイトが「太平洋側のダイナミックな波と、駿河湾側の穏やかで浅い海」と紹介しているエリアです。
駐車場は市営無料・400台以上で「常時開放」。しかも薄原駐車場と灯台下駐車場(みさきの広場)の2箇所あります。トイレも複数箇所。設備面ではこのエリアで最も充実しています。
狙えるのはシロギス、クロダイ、スズキ、イシダイ、ヒラメ、マゴチ。イシダイが対象魚に入るあたりが、砂浜だけの遠州灘とは違うところです。
アクセスは相良牧之原ICから約40分。灯台下は磯遊びのスポットでもあり、市は「潮位25cm以下が磯遊びに適した日」としています。磯場に入るならスパイクブーツが必須です。スニーカーで立ち入ると本当に危険です。
さがらサンビーチ・相良港・萩間川河口
牧之原市。さがらサンビーチは遠浅の砂底で、隣に相良港と萩間川河口があります。サーフ・漁港・河口が1箇所にまとまっているのが強みで、状況に応じて釣り方を変えられます。
さがらサンビーチではキス、メッキ、セイゴ。相良港側ではクロダイ、キビレ、シーバス、カサゴが通年、キスは初夏、ハゼは秋冬(萩間川河口は9〜10月)とされています。
駐車場は漁港北側に広いスペースがあるとのことですが、無料か有料か、時間制限があるかは確認できませんでした。トイレも不明です。
注意:南側防波堤は立入禁止です。ほかにも複数の防波堤・突堤が立入禁止に指定されています。静岡県の遊漁ルールでも「防波堤等の立入禁止区域に入らない」ことが明記されています。現地の表示に必ず従ってください。
静波海岸
牧之原市静波。サーフィンの一大ポイントとして全国的に知られる浜です。
釣りの対象はシロギス、イシモチ、ヒラメ、マゴチ、キビレ、クロダイ、メッキ、シーバス。月別ではヒラメが11〜12月に最盛期、クロダイが9月に最高潮、シーバスが10月ピーク、キビレが4月ピークとされています。
駐車場は7時〜19時で夏季は有料という情報がありますが、一次情報での裏付けは取れていません。訪問前に確認してください。トイレはあるとされています。
そしてサーファーとの共存が最大の課題になる浜です。波情報サイトが多数存在するレベルの人気ポイントなので、混雑時は無理に入らず、時間帯か場所をずらす判断が必要です。
【重要】ウミガメの産卵地です
このエリア特有の、絶対に知っておくべき話です。
御前崎市は「まとまった数のウミガメが産卵のために上陸してくる日本の北限」で、国の天然記念物に指定されています。対象海岸として御前崎ロングビーチと下岬海岸が挙げられています。
市が示している内容はこうです。
- 保護巡視期間は5月15日〜8月31日(ふ化は例年8月上旬)
- ウミガメの上陸・産卵を目的とした個人による無秩序な観察・立ち入りは禁止
- ウミガメの捕獲や卵の採取は条例で禁止。罰則が科される場合あり
- 産卵時間帯の砂浜でのカメラ撮影・人工照明の使用は控える
市は「親ガメは些細な刺激で産卵を諦めてしまう」と説明しています。
つまり5月中旬〜8月末のナイトゲームでは、ヘッドライトの扱いに配慮が必要です。足元を照らすのは仕方ないとしても、砂浜を広く照らす、海面に向けて振り回す、フラッシュ撮影をするといった行為は避けてください。
釣り人が原因でこの海岸が閉ざされるようなことになったら、失うものが大きすぎます。ここは全員で守りましょう。
御前崎港について
御前崎港は2020年8月に国土交通省から「釣り文化振興モデル港」に指定されています。既存の防波堤等を釣り場として活用し、安全対策とマナー教育を進めていく対象港という位置づけです。
ただし立入禁止・釣り禁止の区域は存在します。2020年3月以降に立入禁止エリアが拡大したという情報や、突堤・赤灯台周辺は釣り禁止という情報がありますが、今回、静岡県御前崎港管理事務所の一次情報にはたどり着けませんでした。
モデル港に指定されているからといって、どこでも釣っていいわけではありません。必ず現地の案内板を確認してから竿を出してください。
安全とルール
静岡県警の統計
静岡県警察によれば、2025年の県内の水難事故は48件、死者21名です。そして「磯釣り・夜釣りの際はライフジャケットを必ず着用」と明記されています。磯釣り・夜釣りでは「波にさらわれる事故や転落事故が多発」しているとのことです。
御前崎エリアは磯とサーフが隣接しているぶん、つい磯に足を伸ばしたくなります。そこが危ないところです。
静岡県の遊漁ルール
- 使える漁具はたも網、やす(水中眼鏡なし)、はり、幅15cm未満のかき具、投網、竿釣・手釣、手拾い、曳縄釣に限定
- あわび・なまこ・うなぎ稚魚は採捕禁止
- イセエビは5月15日〜9月15日が禁漁、体長13cm以上
- 操業中の漁船から約200m離れる
- 防波堤等の立入禁止区域に入らない
- ライフジャケットを必ず着用
違反には漁業法および静岡県漁業調整規則の罰則が適用されます。
海水浴期間
マリンパーク御前崎海水浴場は毎年7月中旬〜8月末、牧之原市の静波海水浴場・さがらサンビーチは概ね7月中旬〜8月31日が開設期間です(年により変動)。
「海水浴期間中は釣り禁止」と明記した規定は見つかりませんでしたが、遊泳区域内での釣りは現実的に不可能ですし危険です。現地の掲示に従ってください。
タックルの目安
沈み根があるという点が、西側の遠州灘とタックルを変えるべき最大の理由です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| ロッド | 9.6〜10.6ft ML〜M |
| リール | 4000番 |
| PEライン | 1.0〜1.2号 |
| リーダー | フロロ25〜30lb(根ズレ対策で西側よりやや太め) |
| ルアー | フローティングミノー、浮き上がりの早いジグヘッドを主体に |
ボトムを舐めるような重いジグ主体の組み立ては、坂下〜メロン前では特に不向きです。浜岡砂丘のような砂底のポイントと、根がある御前崎周辺で、ルアーボックスを分けて考えると失うルアーが減ります。
ロッドは初心者向けサーフロッドおすすめ9選、ラインはPEラインとリーダーの選び方、ルアーはサーフルアーおすすめランキング14選とただ巻きルアー27選を参考にしてください。装備全体はサーフフィッシングの装備完全版にまとめています。
遠州灘の西側と何が違うか
| 御前崎〜牧之原(東) | 浜松〜田原・伊良湖(西) | |
|---|---|---|
| 生態系 | コンブ目・ホンダワラ科の海藻群落(環境省) | 連続した大規模な砂浜生態系(環境省) |
| 地形 | 砂浜と岩礁が混在。沈み根あり | ほぼ砂浜一辺倒 |
| 海況 | 岬の両面で違う。逃げ場がある | 一直線。時化たら全滅しやすい |
| 水深 | 浜岡砂丘はやや急深 | 遠浅 |
| 特有の対象魚 | ヒラスズキ、イシダイ | ブリクラスの青物 |
| 特有の規制 | ウミガメ(国天然記念物) | ― |
整理すると、西はサイズと数、東は多様性と逃げ場という違いです。同じ「遠州灘」でひとくくりにすると失敗します。
西側については【マル秘】田原サーフおすすめポイントまとめと【マル秘】豊橋サーフおすすめポイントまとめに、青物のシーズンについては秋の青物サーフゲーム攻略法と【攻略】遠州灘サーフで青物を狙う時のルアーを選ぶポイントにまとめています。
まとめ
- 御前崎周辺は遠州灘で唯一、岩礁と海藻帯を持つエリア(環境省の資料で裏付けあり)
- だからヒラスズキ・イシダイが狙える。西側では出ない魚
- 沈み根があるのでボトム系のルアーは不向き。フローティングミノー主体で
- 岬の両面で海況が違う=逃げ場がある
- 浜岡砂丘は遠州灘のなかでは急深。青物・タチウオも見込める
- 市営無料駐車場が常時開放(浜岡砂丘・御前崎ロングビーチ)
- 5/15〜8/31はウミガメの保護期間。ナイトゲームの照明に配慮を
遠州灘に通っている人ほど、一度東の端まで足を伸ばしてみる価値があります。同じ海とは思えないはずです。
秋のサーフの狙い方は秋のサーフゲーム攻略法を徹底解説、ヒラメの生態は【初心者サーフ講座 ヒラメ編①】ヒラメの生態を知るからどうぞ。

